ソウルライクを一人で制作するには、戦闘の手触り、レベル、美術、音楽、演出、システム設計を同時に扱う必要があり、通常は一人の開発者が安定して担える範囲を超える。『守夜人』では、これらの工程を削減するのではなく、私自身の役割を変更した。全面的な実作業からディレクションへ移り、美意識と意思決定を保持したまま、検証可能な制作作業をAI協働ラインへ割り当てている。
『守夜人』開発記録の第1回として、本稿では企画方針と現在の一人開発モデルを整理する。
企画方針:終わりのない長夜を見守る
『守夜人』は横スクロール型のソウルライクで、暗く抑制された方向性と、一本の鉄剣を全編で使い続ける構成を採用している。世界の基調は灰色で、暖色は灯の届く範囲にのみ現れる。プレイヤーは長夜のなかで最後の光を守る守夜人となり、篝火によって安全圏を区切り、ガード、パリィ、体勢崩し、処刑を用いて近接戦闘を行う。ボス戦は、二度から三度の体勢崩しを経て決着するリズムを目標としている。
戦闘と世界設計は、後続の記事で個別に扱う。本稿では制作体制に焦点を当てる。
制作モデル:一人のディレクターと三本のAI制作ライン
現在の制作工程は三本のAI協働ラインに分かれ、私はディレクターを担当する。
- メディアライン:美術、音楽、MV、関連する制作ツールを担当する;
- ゲームライン:コード、レベル、システム実装を担当する;
- 夜航:タスク指示書に基づいて夜間に自律開発を行い、翌日に検証可能な成果を提出する。詳細は別稿で扱う。
私の中心的な役割は、成果が目標に適合しているかを判断し、提案を制作へ進めるかを決定することである。画像の選定、キャラクターの確定、ヴェラの顔の設計、主要システムの取捨選択は私が行う。機械はテストの成否を検証できるが、作品として成立しているかどうかは、引き続き人が判断する。
委任の前提:テストゲートと対抗レビュー
AI協働の主なリスクは、変更が既存の内容を気づかれないまま損なうことである。そのため、納品工程には二段階の制約を設けている。
- テストゲート:各納品で数百件のアサーションを実行し、全件が通過しない限り次の段階へ進めない;
- 対抗レビュー:統合前に、別のAIが反証を目的として提案と実装を検査する。合理的に覆せなくなった段階で次へ進める。
この二層により、「自動で実行できる」状態を「制御された条件下で自律実行できる」状態へ移行させる。委任の根拠はモデルへの抽象的な信頼ではなく、再現可能な検証手順に置く。
今後の記録範囲
後続の記事では、夜航ワークフロー、一本の鉄剣を中心とするビルドシステム、ソウルライク戦闘の重量感、篝火と拠点の構成、コードを変更せずにバランスを調整する方法を順に記録する。
本シリーズでは、一人開発とAI協働における具体的な制作方法と取捨選択を、個別の制作課題ごとに整理していく。